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論文

J-PARC 3GeVシンクロトロンにおける純炭素フォイルによる荷電変換への挑戦

仲野谷 孝充; 吉本 政弘; Saha, P. K.; 竹田 修*; 佐伯 理生二*; 武藤 正義*

Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.937 - 941, 2023/11

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS: Rapid Cycling Synchrotron)では、前段加速器であるリニアックから入射した400MeVのH$$^{-}$$ビームを荷電変換フォイルによりH$$^{+}$$ビームに変換して、3GeVまで加速している。これまでRCSでは、HBCフォイル(Hybrid Boron mixed Carbon stripper foil)とカネカ社製のグラフェン薄膜(GTF: Graphene Thin Film)の2種類を荷電変換フォイルとして使用してきた。HBCフォイルとは100$$mu$$g/cm$$^{2}$$以上の厚い炭素フォイルを安定的に作製するために高エネルギー加速器研究機構(KEK)で開発された手法である。当初はKEKで作製されたフォイルを使用してきたが、2017年からは原子力機構でHBCフォイルの作製を開始し、以来これを使用している。近年、アーク蒸着法では作製が困難と言われてきた厚い純炭素フォイルの成膜に成功した。新たな試みとして、この純炭素フォイルを2023年3月からの利用運転で使用した。結果、HBCフォイルとGTFでは使用時間の経過とともに、荷電変換されずにビームダンプに廃棄されるビーム量の増加傾向が観察されたが、純炭素フォイルではこの傾向がなく、安定的に荷電変換が可能であった。本発表ではこれら3種類の荷電変換フォイルの使用状況について報告する。

論文

Development of a single-ended magnetic alloy loaded cavity in the Japan Proton Accelerator Research Complex rapid cycling synchrotron

山本 昌亘; 野村 昌弘; 沖田 英史; 島田 太平; 田村 文彦; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 吉井 正人*

Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2023(7), p.073G01_1 - 073G01_16, 2023/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Multidisciplinary)

J-PARC 3GeVシンクロトロンでは、ビームの加速に金属磁性体を装荷した加速空胴を使用している。金属磁性体の広帯域特性を利用して、ビームを加速する周波数だけでなく、その高調波も増幅する多重高調波励振によってビームの安定加速を実現している。既設の空胴は真空管増幅器において、加速電場を発生させる絶縁ギャップの前後に個別に電圧を印加するプッシュプル励振となるよう設計されている。プッシュプル励振は、ビームを加速しない状態では高調波歪みを抑制でき、さらに空胴の長さを短くできる利点がある。しかし、大強度ビーム加速時にはビームが誘起する電圧によって多重高調波励振が歪められ、それを補正するために絶縁ギャップの前後にかかる陽極電圧振幅が深刻な不平衡を引き起こし、真空管の動作を制限してしまう。現状では、設計値である1MWビーム加速は達成できているが、より安定な運転を行う上では真空管の不平衡が問題となる。この問題を避けるため、シングルエンド励振の空胴を開発した。シングルエンド励振は本質的に不平衡が起こらず、さらに既設の空胴に対して遥かに少ない電力消費を達成できることが分かった。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロンにおける荷電変換フォイルの最近の使用状況

仲野谷 孝充; 吉本 政弘; Saha, P. K.; 竹田 修*; 佐伯 理生二*; 武藤 正義*

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.629 - 633, 2023/01

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS: Rapid Cycling Synchrotron)では、前段加速器であるリニアックから入射した400MeVのH$$^{-}$$ビームを荷電変換フォイルによりH$$^{+}$$ビームに変換して、3GeVまで加速させている。RCSで主に使用している荷電変換フォイルは、少量のホウ素を炭素棒に添加し、これを電極としてアーク蒸着法により作製したHBCフォイル(Hybrid Boron mixed Carbon stripper foil)である。2017年から原子力機構でフォイルの内作を開始し、2018年以降これを利用運転で使用している。これまでのところフォイルを起因とする大きな問題は生じていない。一方でこの間、RCSのビームパワーは500kWから830kWへと段階的に上昇してきた。出力上昇に伴い、フォイルを支えているSiCファイバーの破断が顕著になってきた。SiCファイバーの破断はビームロスを増やしたり、フォイル回収時の汚染源となる可能性がある。この課題の対策としてより高強度な特性を持つSiCファイバーの使用やSiCファイバーパターンの変更などの対策を検討した。本発表では近年のJ-PARC利用運転でのフォイルの使用状況と課題とその対策ついて報告する。

報告書

加速器装置メンテナンスを安全に進める上での注意点と要領

小野 礼人; 高柳 智弘; 杉田 萌; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 山本 風海; 金正 倫計

JAEA-Technology 2021-044, 53 Pages, 2022/03

JAEA-Technology-2021-044.pdf:43.7MB

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の3GeVシンクロトロン加速器には、1MWの大強度ビームを生成するために開発された電磁石用の電源装置が多数配置されている。これらの電源装置は、陽子ビームの軌道制御の要求に合わせて専用に開発されており、多種多様な出力波形の形式、定格仕様、更には異なる筐体のサイズや電源回路で構成されている。J-PARCは、運転を開始してから10年が経過し、経年劣化を原因とする故障から部品の交換や機器の更新の必要性が生じている。それら機器のトラブルを未然に防ぐことが出来れば、ユーザーの利用時間を計画通り確保でき、成果の最大化に資するとともに、さらには加速器を運用する運転員への負担を軽減することができる。メンテナンスとは、機器を正常な状態に保つことであり、メンテナンスによって故障個所や経年劣化部分を早期に発見して整備することにより、機器の寿命を延ばすことが可能である。本報告書では、電磁石電源グループで実施しているメンテナンス作業の事例を基に、メンテナンス時に必要な手続き、資格等が必要な作業とその注意点、作業を安全に行うための手順書、リスクアセスメントといった資料の作成方法等について報告する。

論文

J-PARC RCS次世代LLRF制御システムの導入

田村 文彦

加速器, 18(3), p.151 - 160, 2021/10

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)の 低電力高周波(LLRF)制御システムは大強度ビームの加速に重要な役割を果たしている。初期システムは、10年以上にわたって大きな問題もなく順調に稼働していたが、システムに搭載されている古いFPGAの陳腐化により、長期的なメンテナンスが困難となった。そこで、次世代のLLRF制御システムを開発・導入した。次世代システムは、最新のプラットフォームであるMTCA.4を基にしている。このシステムの最も重要な新機能は、マルチハーモニックベクトルRF電圧制御フィードバックであり、設計ビームパワー1MWのビーム強度において、広帯域空胴での重いビーム負荷を初期システムで用いられているフィードフォワードよりもよく補正することができた。システムの詳細、調整結果の結果を報告する。次世代システムの導入は成功であった。

論文

J-PARC RCS次世代LLRF制御システムの性能

田村 文彦; 杉山 泰之*; 吉井 正人*; 山本 昌亘; 沖田 英史; 大森 千広*; 野村 昌弘; 島田 太平; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; et al.

Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.170 - 174, 2021/10

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)における大強度陽子ビームの安定な加速のためには高精度で安定な低電力高周波(LLRF)制御システムが不可欠である。RCSのLLRF制御システムは運転開始から10年以上大きな問題なく運転されてきたが、構成要素であるデジタル部品の陳腐化により維持することが困難となっていた。このため、2016年より次世代LLRF制御システムの開発を行い、2019年に次世代システムへの置き換えを完了した。RCSの広帯域金属磁性体空胴のビームローディングを補償するにはマルチハーモニックの補償システムが必要である。次世代システムではマルチハーモニックベクトルrf電圧制御フィードバックを採用することで、旧システムにおけるフィードフォワード法を用いた補償よりも安定な大強度ビーム加速を実現した。本発表では、次世代システムの概要、ビーム試験結果を示すとともに、更なる性能向上に向けた取り組みについて報告する。

報告書

電磁石電源装置の長期的安定運用を実現する安全安心な維持管理手法の提案

小野 礼人; 高柳 智弘; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 山本 風海; 金正 倫計

JAEA-Technology 2021-005, 40 Pages, 2021/05

JAEA-Technology-2021-005.pdf:4.27MB

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の3GeVシンクロトロン加速器には、1MWの大強度ビームを生成するために開発された電磁石用の電源装置が多数配置されている。これらの電源装置は、陽子ビームの軌道制御の要求に合わせて専用に開発されており、多種多様な出力波形の形式,定格仕様、更には異なる筐体のサイズや電源回路で構成されている。J-PARC用に開発されたこれらの電源装置には世界最先端の技術が集約されており、故障が少ない安定した運転、かつ故障時に大きなトラブルに発展しない安全な機器として運用するためには、新しい装置として特徴を良く理解した適切かつ的確な管理により機器装置の性能を維持しなければならない。しかし、それぞれの装置の仕様や機能は異なっており、更には製作メーカーも違っているため、装置の構造・構成・特徴に合わせた維持管理手法が必要である。維持管理の手法は大きく分けて3つのタイプがある。機器・部品の劣化による交換や後継機種への更新を目的とした週・月・年ごとに実施する「メンテナンス」、運転中の装置の状態を常時監視し、異常・異変の有無を確認する「日常点検」、突発的な故障の修理を目的とした「トラブル対応」に分類できる。本報告書では、電磁石電源グループで実施している保守管理の事例を基に、「メンテナンス」、「日常点検」、「トラブル事例」の内容を紹介する。特に、修理などの交換作業を容易にするアイデアを含めた作業管理手法、および装置の構成・構造・特徴に依らない、電源の保守作業時に必要な注意すべき点を整理して報告する。

報告書

安全性と信頼性を備えた加速器用電磁石電源装置の設計モデルの構築

小野 礼人; 高柳 智弘; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 山本 風海; 金正 倫計

JAEA-Technology 2020-023, 40 Pages, 2021/02

JAEA-Technology-2020-023.pdf:2.98MB

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の3GeVシンクロトロン加速器には、1MWの大強度ビームを生成するために開発された電磁石用の電源装置が多数配置されている。これらの電源装置は、陽子ビームの軌道制御の要求に合わせて専用に開発されており、多種多様な出力波形の形式、定格仕様、更には異なる筐体のサイズや電源回路で構成されている。3GeVシンクロトロン加速器は運転を開始してから10年が経過し、経年劣化が原因と思われる故障が起きている。そのため、定期的に部品の交換や機器の更新を行っているが、連続運転中の予想しないタイミングで故障が発生してしまうなど完全な対策は難しい。J-PARCは多くのユーザーが研究利用をしており、故障時は速やかな復旧が求められる。しかし、異常検出センサーや設計仕様が電源毎に異なり、確認調査に多くの時間が費やされる状況も生じている。そこで、電源装置毎に専用マニュアルを作成し専用の治工具も用意をしたが、経験の無い症状と状況で発生するトラブルもあり、作業者の経験や知見に頼る対応を取らざるを得なくなっている。この様な状況は、多くの時間と労力を要する原因となり、作業間違いや事故が生じる要因にもなる。電源装置で使用するセンサーなどの電気・電子部品は、多くの部分で共通化が可能である。さらに、異常検出の方法を共有化し基本設計に組み込むことで、トラブル対応マニュアルの共有化と予備品の共通化が可能になる。そして、電源装置の構造を、故障による交換作業を前提にした設計にすることで、効率的、かつ実用性に優れたトラブル対応とメンテナンス手法を構築できる。これらの対応は、安全性と信頼性を確立する電源装置の開発に繋がり、加速器装置全体の稼働率向上にも貢献できる。本報告書では、電源装置の開発において設計思想の共有化と部品の共通化の必要性について述べるとともに、安全性と信頼性の確立に必要な基本設計モデルについて、3GeVシンクロトロン加速器の電磁石用電源装置の開発事例を用いて紹介する。

論文

Recent status of J-PARC rapid cycling synchrotron

山本 風海; Saha, P. K.

Proceedings of 9th International Particle Accelerator Conference (IPAC '18) (Internet), p.1045 - 1047, 2018/06

J-PARC 3GeVシンクロトロンは現在500kWの陽子ビームを物質生命科学実験施設に、また750kW相当の粒子数の陽子ビームを主リングシンクロトロンに向けて供給している。J-PARCのような大強度加速器では、わずか0.1%のビームロスでも非常に大きな機器の放射化を引き起こし、トラブルが発生する。そのため、大強度出力での安定な運転を目指し、3GeVシンクロトロンではビーム調整を行い、その結果を基に改善を進めている。近二年では、六極電磁石および補正四極電磁石の改修により、ビーム軌道の不安定化を抑制し、より小さなエミッタンスのビームを主リングに向けて供給できるようになった。また機器の放射化も低い状態を維持したまま運転を継続しており、作業者の被ばくも非常に少なく抑えることに成功している。

論文

Observation of simultaneous oscillations of bunch shape and position caused by odd-harmonic beam loading in the Japan Proton Accelerator Research Complex Rapid Cycling Synchrotron

山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 吉井 正人*

Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2017(11), p.113G01_1 - 113G01_24, 2017/11

AA2017-0469.pdf:2.78MB

 被引用回数:2 パーセンタイル:21.19(Physics, Multidisciplinary)

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、陽子のバンチが二つ加速器リングを周回している。そして陽子にエネルギーを与える加速電圧も、周回周波数の2倍の周波数で発生させている。このため、大強度ビームの場合バンチが加速空胴を通過する度にウエイク電圧を誘起するが、ウエイク電圧のフーリエ成分も偶数次が主成分となり、奇数次成分はほとんど観測されないはずと考えられていた。実際に加速初期には奇数次成分はほとんど観測されないが、時間とともに増大しビーム損失を起こす現象が観測された。ビーム測定の結果から、奇数次のウエイク電圧がバンチの位置だけでなく形状も同時に振動させていることが示唆された。この振動は奇数次成分をさらに増大させるため、振動が収まらなくなる。ビームシミュレーションはビーム測定の結果をうまく再現し、奇数次のウエイク電圧が極端な高周波バケツ変形を引き起こしてビーム損失に至る様子が確認された。以上のことから、予めマイナーハーモニック成分にもビーム負荷補償システムを導入すればビーム損失が防げることが示されたので、加速器の放射化を減らし安定なビーム運転に貢献することが期待される。

論文

Development of the beam loss monitor for beam halo measurement in the J-PARC RCS

吉本 政弘; 原田 寛之; 岡部 晃大; 金正 倫計

Proceedings of 4th International Beam Instrumentation Conference (IBIC 2015) (Internet), p.575 - 579, 2016/01

J-PARC RCSにおいて、ビームのコア部からハロー部までを含めた横方向のプロファイルについて3NBTラインに設置したワイヤー型ビームスクレーパと複数台のビーム損失検出器を用いて測定している。我々のビームハロー測定器の最終目的は、横方向のプロファイルに加えてRCSから取り出された2個のバンチビームに対して時間方向のビームハロー構造を測定することである。そのために応答時間に優れたプラスチックシンチレータと光電子増倍管の組み合わせをビーム損失検出器に採用した。しかしこのビーム損失検出器では、ワイヤーからの放射線だけでなく、他の装置や壁などから放出される放射線まで検出していることが分かった。そのため、我々は鉛ガラスを用いたシンチレーション光型ビーム損失検出器や石英やUVアクリルを用いたチェレンコフ光型ビーム損失検出器の開発を試みた。本発表ではビームハロー測定系の概要と供に、新しいビーム損失検出器の概念や実験結果について発表する。

論文

J-PARC RCSにおける奇数次のビームローディングによるビーム損失

山本 昌亘; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 野村 昌弘; 大森 千広*; 島田 太平; 田村 文彦; 戸田 信*; 吉井 正人*

Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1008 - 1012, 2015/09

J-PARC RCSはハーモニック数2のRFバケツに2バンチを入れて加速しているので、ビームの主なフーリエ成分は偶数次となる。しかし、粒子トラッキングの結果から、微小な奇数次成分がバンチ間の非対称性を促進し、ある条件ではそれが急速に増大することが分かった。非対称性が単調に増加した場合、大きなビーム損失を引き起こすことになる。また、奇数次成分が大きな振幅ではないものの、振幅変調しながら続く場合ビームハローを形成し、それが微小なビーム損失を招くことも分かった。本報告では、奇数次成分についての粒子トラッキングの結果について述べる。

論文

Measurement of Momentum Spread of the Injection Beam with Longitudinal Tomography Method in the J-PARC RCS

吉本 政弘; 原田 寛之; 發知 英明; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 金正 倫計

Proceedings of 6th International Particle Accelerator Conference (IPAC '15) (Internet), p.944 - 946, 2015/06

J-PARCリニアックのビームエネルギー及びビーム電流のアップグレード完了を受けて、RCSにおける設計ビーム強度1MWのビーム調整を開始した。1MWビーム出力運転を実現するためには、リニアックからの入射ビーム調整が重要な項目の一つである。リニアックビームの縦方向エミッタンスを調整を目的とし、RCSに入射した直後に縦方向トモグラフィー法を用いて入射ビームの運動量広がりを計測した。我々が開発した縦方向トモグラフィー法のツールは、CBP法を用いたシンプルなアルゴリズムが特徴で、元々はRCSビーム蓄積モード用に開発したものである。今回、我々は加速モードでも使えるように改良を行った。リニアックのデバンチャー2のタンクレベルを調整することで、運動量広がりが0.06%から0.15%まで変化することが測定でき、分布形状の変化もシミュレーションとよく一致することが確認できた。

論文

Status of the J-PARC 3GeV RCS

金正 倫計

Proceedings of 6th International Particle Accelerator Conference (IPAC '15) (Internet), p.3798 - 3800, 2015/06

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、物質生命科学実験施設(MLF)、及び50GeVシンクロトロン(MR)でのユーザー運転のために、ビーム運転を実施している。ビーム強度をこれまで徐々に増強し、2015年3月から400kW、4月から500kWでの安定運転を行っている。大強度ビーム試験も実施し、2015年1月10日に、設計値である1MW相当の粒子加速器に成功した。この実験では、1MWでの安定運転に関する課題も明らかにすることができた。これら、RCSの現状について報告する。

論文

Lessons from 1-MW proton RCS beam tuning

發知 英明

Proceedings of 54th ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High-Intensity, High Brightness and High Power Hadron Beams (HB 2014) (Internet), p.6 - 11, 2015/03

J-PARC 3GeV RCSは、1MW出力を目指す世界最高レベルの大強度陽子シンクロトロンである。2013年及び2014年の夏季作業期間に入射器であるLinacの増強作業が実施され、RCSへの入射エネルギー及び入力粒子数が設計値へと引き上げられ、2014年10月より、RCSは、1MW設計運転の実現を目指した最終段階のビーム調整を開始した。RCSのような大強度陽子加速器では、ビーム損失により生じる機器の放射化が出力強度を制限する最大の要因となるため、ビーム損失の低減が1MW設計運転を実現するための重要な研究課題となるが、この10月のビーム試験では、入射ビームの分布形状やペイント入射法の最適化等により、770kW相当のビーム加速で生じるビーム損失をほぼ最小化することに成功した。本会議では、ビーム増強過程で我々が直面したビーム損失の発生メカニズムやその低減策について報告する。

論文

Beam halo measurement using a combination of a wire scanner type beam scraper and some beam loss monitors in J-PARC 3-GeV RCS

吉本 政弘; 原田 寛之; 岡部 晃大; 金正 倫計

Proceedings of 54th ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High-Intensity, High Brightness and High Power Hadron Beams (HB 2014) (Internet), p.143 - 147, 2015/03

横方向のビームハローは大強度ビーム加速器の性能を制限するもっと重要なパラメータの一つである。そのためJ-PARC3GeVシンクロトロンRCSのビーム強度増強を行うにはビームハローの測定は必須である。ビーム分布に対して中心の密度が濃い部分をビームコア、周辺の密度が薄い部分をビームテール、さらに外周に散在している部分をビームハローと呼んでおり、一般にビームハロー部はビームコアに対して1/10000$$sim$$1/1000000程度の強度と言われている。そのために、ビームハローを測定するには6桁程度のダイナミックレンジが必要になるが、単体の装置でこれを実現することは非常に困難である。そこで、ワイヤースキャナーとビームロスモニタを組み合わせた新しいビームハローモニタを開発し、ビームを取り出した輸送ラインに設置した。ロスモニタのダイナミックレンジは3桁程度だが、感度領域の異なるロスモニタを複数台組み合わせることで、非常に広いダイナミックレンジを実現でき、コア部からテール部そしてハロー部迄を含むビームプロファイルを計測することが可能となった。

論文

Comparison between measurements and ORBIT code simulations for beam instabilities due to kicker impedance in the 3-GeV RCS of J-PARC

Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 發知 英明; 原田 寛之; 林 直樹; 田村 文彦; 山本 昌亘

Proceedings of 5th International Particle Accelerator Conference (IPAC '14) (Internet), p.1683 - 1685, 2014/07

Transverse impedance of the extraction kicker magnets is the most dominant beam instability source in the 3-GeV RCS of J-PARC. We made a significant upgrade of the ORBIT code for beam simulations in synchrotrons like J-PARC RCS including a successful implementation of the time dependent impedance in the code. Simulation results are found to quite good in agreement with measurements done for a beam power up to 500 KW. Beam instability occurs when AC chromatic correction is done but no beam instability occurs for a DC chromatic correction. Simulation results for the designed 1 MW shows that instability occurs even for a DC chromatic correction when betatron tunes are kept fixed throughout the acceleration process. It is thus a big concern towards 1 MW goal but simulation also shows that a proper tune manipulation can stabilize the beam. The simulation thus suggests that necessary steps should be taken in order reduce kicker impedance although a proper beam tuning remains as an alternate option.

論文

Titanium flanged alumina ceramics vacuum duct with low impedance

金正 倫計; 齊藤 芳男*; 壁谷 善三郎*; 荻原 徳男

Vacuum, 81(6), p.808 - 811, 2007/02

 被引用回数:7 パーセンタイル:30.11(Materials Science, Multidisciplinary)

大強度陽子加速器施設3GeVシンクロトロン(J-PARC-RCS)で使用されるアルミナセラミックス真空ダクトの開発に成功した。ダクトは大きく分けて2種類あり、一つは四極電磁石中で使用される直径約378mmの円断面を持つ長さ1.5mのダクトで、もう一つは、偏向電磁石中で使用されるレーストラック断面を持つ長さ約3.5mで15度湾曲したダクトである。これらは、長さ約0.8mのユニットダクトをメタライズとロウ付けにより接合することで実現した。また、ダクト外表面には、ダクト壁抵抗を小さくするために、PR銅電鋳という方法で、銅箔をストライプ上に接合した。さらに、ダクト内面には、壁からの二次電子放出を低減させるために、TiN膜をコーティングした。これらにより、J-PARC-RCSで使用するダクトが実現できた。

論文

Magnetic field measurements, 3D field calculation and heat measurements of a prototype thick septum magnet for 3 GeV rapid cycling synchrotron of J-PARC

渡辺 真朗; 入江 吉郎; 神谷 潤一郎; 島田 太平; 高柳 智弘; 鈴木 寛光; 渡辺 泰広; 川久保 忠通*

IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 16(2), p.1354 - 1357, 2006/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Electrical & Electronic)

セプタム電磁石は一般的に薄いセプタム厚構造と同時に漏れ磁場を極力小さくしなければならない。J-PARC 3GeV陽子シンクロトロンの入出射システム用に用いられるセプタム電磁石は、ロスの少ないhigh intensityのビームが通るための大きなaperture, high radiationに対する保護,high activation後のメンテナンスを避けるための高い耐久性、が要求される。プロトタイプセプタム電磁石の製作をした。ホールデバイスを用いて磁場測定を行い、その結果を3次元静磁場計算コードTOSCAの計算結果と比較をした。ギャップ内の磁場は測定とシンプルモデルによる計算がよく一致した。一方で漏れ磁場は計算結果よりも測定結果の値が大きかった。より詳細なモデルにより、リターンヨークを固定するボルト穴がヨークの実効的な断面積を小さくし、その結果透磁率が小さくなり漏れ磁場が大きくなっていることが判明した。リターンヨークの厚みが十分でないので、磁束密度は容易に飽和に近い領域で励磁されてしまう。さらに、われわれは電磁石の発熱測定とコイルの冷却効率について議論する。

論文

Design of thick septa magnets based on 3D field calculation for the 3 GeV rapid cycling synchrotron of J-PARC

渡辺 真朗; 入江 吉郎; 神谷 潤一郎; 島田 太平; 高柳 智弘; 藤森 寛*; 五十嵐 進*; 川久保 忠通*; 中山 久義*

IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 16(2), p.1350 - 1353, 2006/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:18.89(Engineering, Electrical & Electronic)

J-PARC 3GeV RCSの入出射用セプタム電磁石は7台あり、入射に2台、廃棄ラインに2台、出射に3台用いられる。セプタム電磁石には全て機械的安定性のため、DC電流で動作するよう設計している。また、真空システムへの冷却水のリークによるアクシデント等を避けるため、真空外(air region)で動作される。われわれは3次元静磁場計算コードTOSCAを用い、セプタム電磁石を設計している。このプレゼンテーションでは磁場計算の結果について議論する。

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